子宮摘出？でも子供は諦めたくない！その苦悩と決断に迫る！

子供を望んでいる時に病気が見つかり子宮の摘出を迫られたら、すぐに決断するのも難しいでしょう。

子宮を摘出したら本当にもう子供は望めないの？子宮摘出以外に治療方法はないの？

実際に子宮摘出を決断した人の苦悩も交えて調べてみました。

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子宮を摘出したらもう子供は望めない？

子宮を摘出してしまっても子供は作れるのか？深刻な悩みです。この場合検討する余地があるのは、卵巣組織、あるいは卵子が癌治療開始の前から冷却保存されていたならば、というケースです。こういったケースであれば、癌治療後の妊娠力の温存は理論上「可能」です。事前に冷却保存されていた、本人の卵巣の組織移植や冷凍卵子の利用が「希望のかけら」となるのです。他の女性から提供された子宮の移植という選択肢も、場合によっては考えられます。

ただし、このケースにおいても様々な条件を満たす必要があります。

まず、癌治療後の卵巣組織移植について見ていきましょう。子宮が温存されている場合であれば、海外で妊娠・出産の成功例が報告されています。とは言え、癌細胞の混ざっていない卵巣細胞の移植が必須となり、抗癌剤治療や放射線療法を受ける前の状態でなければ適切といえません。また、今回のケースに関しては「子宮が摘出されている」ため、上記の医療機関でも承諾は得られません。

それでは次に、本人の卵子が凍結保存されていた場合について考えます。このケースでは、パートナーの精子による体外受精へと可能性がつながります。ただし、妊娠・出産の可能性はNHKの最近の調査によれば60％にとどまります。くわえて、子宮が摘出されていますので、受精卵を戻す場所がありません。従来なら、ここで希望は絶たれました。

しかし、現在では、トルコのアクデニズ大学病院とスウェーデンのヨーテボリ大学病院において、子宮移植手術が行われています。そこに至るまでの障害は多いですが、「子宮を摘出しても子供は作れる」か、理論上は可能です。

もう子供が産めない・・・子宮摘出を決断した人の苦悩とは

私は、子宮と左右の卵巣の摘出手術を受けました。30代の時です。

摘出して子供を産めなくなることに、迷いがなかったと言えばうそになります。しかし、転移や再発の恐怖と戦いながらこの先の人生を過ごすより、自分の人生を精一杯大切に生きよう、そう思ったため、摘出手術に踏み切りました。

卵巣の摘出、それも両側の摘出に関しては、最後までためらいがありました。女性ホルモンが分泌されなくなること、それにより引き起こされる身体の不調が、何より気がかりだったためです。

一方で、手術を受けたことについては、いまでも後悔していません。

「子宮は女性のアイデンティティ。子宮を摘出したら、女でなくなってしまうのでは。」と、子宮を温存することにこだわる考えの方もおられるそうです。

私の場合は、そういった考えは抱きませんでした。子宮は大切なものですが、臓器のひとつ。私のアイデンティティそのものではありません。摘出をしても私は私であると言い切れます。

子供を諦めたくない！子宮摘出以外に治療する方法はないの？

子宮摘出は最終手段。子供を望むならなおさらのことです。子宮移植も技術的に可能とは言え、まだまだ現実的ではありません。では子宮を摘出せずに、どのような治療が可能なのでしょうか？

病院で行われる子宮筋腫の治療では、患者本人の年齢、将来の出産願望、また病状を加味したうえで定期検査を課す「経過観察療法」と、投薬により女性ホルモンを抑制する「ホルモン療法」、子宮の摘出や筋腫の切除を施す「手術療法」に分類できます。

未婚の女性や、妊娠・出産の希望を持つ女性に対して、医師は子宮を残すべく手を尽くします。摘出の決断は医師にとっても辛いものです。それでも、筋腫の位置や大きさなどにより、看過できない支障をきたす病状となった場合、特に重度の子宮筋腫や子宮内膜症などのケースにおいて、やむなく子宮摘出の選択を提示することとなります。時には避けられない場合もありますが、自分の希望をしっかりと伝え、医師と相談しながら今後の方針を定めていきましょう。

子宮を摘出するメリット、デメリットは？

子宮を摘出することのメリット・デメリットにはどのようなことがあげられるでしょうか。

まず、筋腫のみ摘出した場合には、再発やそれに伴う再手術が懸念されますが、子宮の摘出は完全に病気を治すことが可能です。子宮癌のリスクがゼロになること、さまざまな体調不良が軽減されたこと、妊娠の心配なく夜の営みを楽しむことが出来るなど、さまざまなメリットが生まれます。実際の体験談にも「女性特有の問題から解放された」という意見が数多く見られました。

一方で、摘出の影響によって引き起こされる、ホルモンバランスの乱れによる不調や、内臓下垂の傾向が懸念されます。子宮を全摘出したことで、子宮の周辺組織の支えが弱まるのが原因です。膀胱炎や腹痛を引き起こす恐れがあります。

何より最大のデメリットは精神的なダメージです。女性として大切なものを失ってしまったという喪失感、世間の無理解を恐れて抱く疎外感などが鬱病につながるケースも見られています。悲しいことに、実際、誤った知識から、心無い人に傷つけられた経験をもつ人も数多く存在します。

子宮頸癌が・・・でも子供を産みたい！諦める前にすべきことは？

子宮頸癌を発症したけれど、子供は産みたい……そんな場合には、あきらめる前に、何よりもまず医師に希望を伝えることです。

子宮頸癌の進行度合いによって可能性は異なります。目視で癌と診断がつかない場合（微小浸潤がん）では、病変患部をふくめ子宮膣部（膣部：子宮の下部。膣鏡で観察が可能な範囲）を円錐形に切除する手術を行えば妊娠することは可能なのです。

しかしその一方で、この術後に妊娠すると、9カ月以降における早産が通常に比べ増加するケースが散見されます。考えられる可能性としては、切除手術により、頸管部（子宮頸部：外子宮口と、内子宮口の間）が本来より短くなるため、早産が引き起こされるといわれています。

これをふまえ、妊娠を希望されている方は早い段階で担当医にその旨を伝え、意思疎通をとることが重要です。手術に際しては癌の再発を防ぐため、充分な切除が行われることが一般的ですが、患者の将来的な希望をふまえて、早産の防止を視野に入れた範囲での切除を、医師がしっかりと検討する余地が残されるためです。